むずむず脚症候群
2016年5月26日
むずむず脚症候群はレストレスレッグス症候群(restless legs syndrome)とも呼ばれ、名前の通り脚が落ち着かず(レストレス)、むずむず感が持続し眠れなったりする病気です。
具体的には、脚のふくらはぎや足の裏に「むずむず感」「火照り感」「虫が這うような感」「灼熱感」などと表現される症状が出現します。入眠時が多いのですが、真夜中から早朝まで続くこともあります。このような症状のため睡眠が障害され、昼間もだるさ、疲労感が強くなり、眠気も起こります。うつ状態になることもあるので、注意が必要です。
このように、決して稀ではないにもかかわらず、「むずむず脚症候群」の不快感や異常感覚は説明しにくく、多くの人が適切な治療を受けることができずに苦しんでいると考えられています。
原因や病態は未解明なことも多いのですが、脳内の神経伝達物質(神経間の情報伝達に大きな役割を果たす物質)の1つであるドパミンの機能低下による運動障害と考える説が有力です。ドパミンは精神活動を活発にすることに関与したりするほか、手足を動かすなどさまざまな運動をするときに潤滑油のような働きもします。一方、鉄はドパミンを合成する際にはたらく酵素に欠かすことのできない物質です。その鉄の欠乏や、そのほか何かの理由でドパミンがうまく働かなくなることで、「むずむず脚症候群」の症状が現れると考えられています。
症状を緩和させるために、鉄・ドパミン仮説などをもとに、主にドパミン神経に作用するような薬(パーキンソン病の薬)が使用されます。それ以外にも不安緊張をとったり、睡眠を促してくれるベンゾジアゼピン系薬剤もよく使用されます。
「脚がむずむずして寝付けない」といった症状がありましたら、ご相談ください。